大判例

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東京高等裁判所 昭和30年(う)2447号 判決

被告人 金鐘煥

〔抄 録〕

弁護人の控訴趣意第三点について。

原判決が被告人の昭和三〇年四月六日頃の賍物牙保罪に該当する一個の犯罪事実を認定し、これに対する法令の適用を示すに当り刑法第二五六条第二項第五六条、第五七条、第一八条を掲記しているだけで罰金等臨時措置法を適用せずに被告人を懲役六月及び罰金五千円に処する旨判示していることは所論の通りである。しこうして記録及び原判決により明らかなように被告人の原判示賍物牙保の犯行は罰金等臨時措置法施行の日(昭和二四年二月一日以後のものであるから、同罪の罰金額については刑法第二五六条第二項のほかに罰金等臨時措置法の規定が適用されるべきことはもちろんであり、しかも被告人の原判示犯行の該当法条である刑法第二五六条第二項所定の罰金の多額は金千円であるから、罰金等臨時措置法第三条第一項第一号を適用しない限り原判決の主文に表示されている罰金五千円という金額で処断することはできないわけである。しかるに原判決が被告人の一個の賍物牙保の犯行に対し、懲役六月及び罰金五千円に処しているのは、同罪の所定刑中罰金の額について罰金等臨時措置法の適用を遺脱したものであり、この法令適用の誤は判決に影響を及ぼすことが明らかであるから、論旨は理由がある。

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